ayateck local kombu

ローカルから生まれた面白いもの、美味しいもの、素敵なものなど、独自の文化をお届けしていくブログ。

「DO IT 2016」という唯一無二のフェスが、酒田だからこそ成し得たこと。「地下の発想が景色を変えた」1日。

f:id:ayateck:20161120012124j:plain

なんだろう。このざわざわする気持ち。じわじわと効いてくる感覚。

2016年11月12日に山形県酒田市で開催された「DO IT 2016」というフェスに参加して、東京に帰る途中の特急いなほ新潟行きの車内でこの文章を書いているわけだが、あの時に観て、聴いて、食べて、感じたことのひとつひとつを思い出すたびに目頭が熱くなるし、実際にこの文章を書いてるいまも正直ちょっと泣いてる。

それはもしかしたら、今回の主催者である酒井健太さんや佐藤優人さんが、8年前に山形シネマ旭跡で開催された「DO IT 2008」に参加した時に感じたものに近いのかもしれないし、違うのかもしれないけれど。

今回、酒田でこのような景色を、あれだけの人が目に焼き付けたということ。何年後かに振り返るととんでもない歴史的な1日となっているという確信がある。明らかに、「地下の発想が景色を変えた」のである。

先日、『極上に凄まじいDIYフェス「DO IT 2016」に日本全国から行くべき3つの理由。』という記事を書いた。が、実際に参加してみて感じた「DO IT 2016」は、僕が予想していた「極上に凄まじい」フェスを、素敵方向で遥か上に超えていた。そこには、スタッフの人たちや、出店の皆さん、来場者の皆さんの、心地よく「からり」と晴れた笑顔があったし、知恵と美が結晶した手作り感で彩られた会場の雰囲気があったし、出演者の皆さんの真摯かつ鬼気迫る表情や、心を撃ちまくるパフォーマンスと言葉の数々があった。

それは、山形県酒田市という土地であったからこそ成し得た、唯一無二のフェスであった。そして、個人的には生涯最高のフェスと言っても過言ではない。

それを写真とともに振り返っていこうと思う。

会場は、酒田市大浜にある株式会社グリーンシステムの倉庫や敷地内。

f:id:ayateck:20161120012047j:plain

f:id:ayateck:20161120012204j:plain

オープニングアクトのthis isのライブが始まる開演直前。青蓮寺ステージの倉庫へと向かって歩いていたら、主催の佐藤優人くんから声をかけられた。

「彩人さん、スマートフォンさFRIDAYZの音源入ってないですか?」

「全アルバム、全曲入ってるよ〜」

「やっぱり!彩人さんなら絶対入ってるど思ってました。this isが入場のSEでFRIDAYZの曲を流したいらしく、スマートフォン貸してくれませんか?」

とのこと。もちろん快諾。その場でthis isのしゅんすけ君をご紹介いただき、僕のiPhoneは青蓮寺ステージのPAにつながれた。

そして、FRIDAYZの楽曲「DO IT NOW」が、this isが入場する際のSEとして青蓮寺ステージに鳴り響き、「DO IT 2016」は幕を開けた。そう、あの音は実は、僕のiPhoneから流されたものだったのである。小さなことかもしれないけれど、ちょっと嬉しかったし、今思うと誇りにさえ思う。ひそかに。

this isのライブの様子。スタートからすでに、かなりのお客さんが入っていた。

f:id:ayateck:20161120012242j:plain

このthis isのライブが倉庫の中に晴天を描いた時点で、このフェスには成功の灯火がつき始めていた。

野外に設営された、子午山ステージ。PAを担当するのは、酒田の音楽シーンを支えてきた酒田MUSIC FACTORYのユウジさん。

f:id:ayateck:20161120012444j:plain

子午山ステージの1発目、わがままカレッジのライブ。

f:id:ayateck:20161120012452j:plain

f:id:ayateck:20161120012725j:plain

わがままカレッジは12月のライブをもって解散してしまうとのこと。惜しい。

そして、DEEPSLAUTER、DOLIPULE、モーモールルギャバンと続いた序盤。雰囲気も程よくゆるくて最高。DEEPSLAUTERのMCで放たれた、「懐かしい!初めて来たのに懐かしい。」という言葉も、その雰囲気の一端を物語っていたようにも思う。

昼飯は、出店の「出前ラーメン店 飛脚」のラーメン。

f:id:ayateck:20161120012855j:plain

f:id:ayateck:20161120012907j:plain

麺はストレート麺と縮れ麺から選べるのだが、僕は縮れ麺を選択。美味すぎた。

f:id:ayateck:20161120012911j:plain

僕が飛脚のラーメンを購入した直後、こんなに行列になっていた。

f:id:ayateck:20161120014251j:plain

他にも、出店はたくさん。

子午山ステージにて、酒田のバンド・Slow Snow Slide。

f:id:ayateck:20161120013036j:plain

轟音で鳴らされる耽美的な音世界は、野外だからこそさらに広がっていた。またライブハウスで観たい。

そして、北海道の小樽から来酒した花男さん。

f:id:ayateck:20161120013120j:plain

歌の中で、「何にも無いなら、作ろうぜ」「何にも無いけど、全部ある」というメッセージは、この「DO IT 2016」の空気内での共鳴度が凄かった。
また、花男さんは以前に自動車教習で酒田の出羽自動車教習所に来てたらしく、そこで恋をした女の子にフラれた話など、グッと来た。

f:id:ayateck:20161120013253j:plain

DOACOCKを観た後に仕事の対応が入り、ワッツーシゾンビ、SOSITE、Dragersなどが観れなかったのがとても残念。

f:id:ayateck:20161120013416j:plain
ステージの上部にある装飾は、雑誌の切り抜きで作ったとのこと。こういう細部に見られる知恵と美も素晴らしすぎる。

マヒトゥ・ザ・ピーポー with NEVER END ROLLERS from GEZANでは、テニスコーツ・さやさんがゲストで登場。

THE STARBEMSのライブでは、ヒダカトオルさんがMCで、2008年の「DO IT 2008」に出演したbloodthirsty butchersの吉村さんについて語っていた。
吉村秀樹っていう大馬鹿野郎がいたんですよ。彼が、DO ITめっちゃ楽しいって言ってたんで、来れて良かったです!ありがとう!」

そして、梁山泊ステージにてNOT WONKのライブでの潤沢な熱量。

f:id:ayateck:20161120013720j:plain

青蓮寺ステージでの、UHNELLYSの濃厚なリズムも凄かった。

f:id:ayateck:20161120014441j:plain

kimさんの「皆さん、アンダーグラウンドを愛してくださいね。」というMC。

f:id:ayateck:20161120013752j:plain

野外ではドローンも登場。

f:id:ayateck:20161120014506j:plain

梁山泊ステージにて、「DO IT 2008」以来8年ぶりに山形にやって来た、MASS OF THE FERMENTING DREGS

メンバーが変わっても、マスドレマスドレだった。極太さと鋭利さを合わせ持った音がとてつもない巨大な塊となってぶつかってくるライブ。凄すぎた。

そして、「DO IT 2008」を主催していた山形在住・SHIFTのライブは青蓮寺ステージにて。

f:id:ayateck:20161120014911j:plain

f:id:ayateck:20161120015000j:plain

SHIFTのベース・安部誠司さんは「あれから子供が生まれたりして活動は減っていたけど、こうやってFRIDAYZや酒田のみんながDO ITをまた開催してくれて嬉しいです。ありがとう」とのMC。Vo.船山さんは、山形県長井市で「ぼくらの文楽」を主催しており、僕は2012年の「ぼくらの文楽」にボランティアで参加したこともあったのだが、その時はきちんとお話をすることはできなかった。このライブ後にようやく船山さんとお話できて抱擁を交わせたことも嬉しかった。

ちなみに余談であるが、これは2009年に宇都宮にSHIFTのライブを観に行った時に購入したステッカー。

f:id:ayateck:20161120015107j:plain

会場には、じゅっきーくんと、たいきくんも登場。

f:id:ayateck:20161120015207j:plain

To overflow evidence、ギターウルフ、クリトリック・リスという極上の流れ。

f:id:ayateck:20161120015348j:plain

クリトリック・リスのスギムさんと僕。スギムさん、最高です。

f:id:ayateck:20161120015529j:plain

スギムさんのTwitterには、カオスすぎるDO ITのパンフ広告についてのツイートも。

そして南風酒場Jahmin'の「だだちゃトムヤムクンラーメン」を食べての、akutagawa

f:id:ayateck:20161120015440j:plain

f:id:ayateck:20161120015557j:plain

酒を呑んでなくても、なんでこんなに楽しいんだろうか。

f:id:ayateck:20161120020040j:plain

日が暮れた梁山泊ステージにて、個人的にとても楽しみにしていたMOROHA。

f:id:ayateck:20161120015636j:plain

f:id:ayateck:20161120015706j:plain

言葉のひとつひとつが、沁みては刺さり、3回ほど涙となって出た。

その後、三浦宗平さんたちが作ったベロベロ汁こと、団子入りの納豆汁を食べて、かなり身体あったまった。んめけー!

f:id:ayateck:20161120015915j:plain

f:id:ayateck:20161120015948j:plain

そして、Have a Nice Day!、音の旅crew、the band apart、malegoatという流れから満を持して梁山泊ステージに登場した、酒田が誇るFRIDAYZの神がかり的なライブの景色。

f:id:ayateck:20161120020209j:plain

f:id:ayateck:20161120020215j:plain

f:id:ayateck:20161120020219j:plain

f:id:ayateck:20161120020225j:plain

f:id:ayateck:20161120020230j:plain

とにかく凄まじかったし、その景色を観ながら何回も涙が出た。this isのライブのSEとして「DO IT 2016」の幕開けを告げた曲でもある「DO IT NOW」の演奏を、僕の視点から撮影した動画がこちら。

出店もしていた鶴岡のU.S雑貨店「ANCHOR」の阿部さんが、アンコールの大団円の様子を撮影した動画も。

それはまさに、FRIDAYZが唯一無二の「LOCAL HERO」として酒田に君臨しながら、地下の発想により変わり得た「景色」を世界に提示した瞬間であった。その景色は、荘厳でさえあったし、美しすぎた。

大トリのテニスコーツは倉庫の外で音響無しの生歌&生ギターで路上ライブ。「DO IT 2016」は静かに、余韻を伴いつつ幕を閉じた。

f:id:ayateck:20161120020558j:plain

こうやって振り返ってみると、特に秀逸だったと個人的に思うのが、主催の佐藤優人さんが中心となって組んだタイムテーブル。昼〜夕方〜夜と、それぞれのシーンに合ったライブがそこかしこで観られ、次第に大きなうねりとなり、それが酒田のバンドFRIDAYZで大団円を迎え、酒田出身・さやさん(会場となったグリーンシステム会長の娘さん)のテニスコーツで静かに帰着した。

ひとつひとつのライブが素晴らしかったことはもちろんであるが、この「DO IT 2016」の1日が、流麗なる屈指の偉大なストーリーとなり得たのは、巧妙に考え抜かれたタイムテーブルによるところも非常に大きい。そしてその物語の核となる部分に、確実に酒田や山形のアーティストが存在していたというのも、このフェスの確固たる「強さ」を生み出していたのである。

会場全体を満たしていた程よいゆるさは、地元の「人」が醸し出している、酒田ならではのものだとも思ったし、このフェスには「酒田にしかない雰囲気」があり、「酒田だからこそできた」フェスであるということを様々なアーティストがMCで言及していた。

冒頭にも述べたが、これは何年も後になって、改めて歴史的な1日として評価され、もっと大きな意味を持ち得るフェスになるのかもしれない。

主催の酒井健太さんや佐藤優人さんが「DO IT 2016」を振り返ったブログやFacebookがこちら。ここに至るまでの、想像を絶する苦難の連続と、それを乗り越えていった過程について記されている。ぜひ読んでほしい。

FRIDAYZ MEETING:DOIT2016。 - livedoor Blog(ブログ)

Yuto Sato - 2016年11月12日。 DOIT2016が終了しました。... | Facebook

とにかく、「動員数1,000人超え」という数だけでは計り得ない、大いなる体験の数々を生み出してくれた「DO IT 2016」。酒田、鶴岡、山形など場所は問わず、本当に多くの人の力があってこそ開催できたフェスであることは間違いないし、実行委員のメンバー・スタッフの皆さんには心からの感謝とリスペクトを。来年以降も続いていくことを願ってやまないし、また新たなる素敵なストーリーが生まれることを心から楽しみにしている。

この「DO IT 2016」の模様は、2017/1/24(火)25:00~26:00にスペースシャワーTVDAX-Space Shower Digital Archives X- DO IT 2016 -YAMAGATA MUSIC FES.」で放送されるので、来場できなかった方もぜひチェックしてみてほしい。

会場となった株式会社グリーンシステムの事務所は、出演アーティストの楽屋として使用されていた。この「DO IT 2016」が実現できたのは、グリーンシステムの理解があったからこそ。感謝。

f:id:ayateck:20161120094538j:plain

「DO IT 2016」の翌日、東京へ帰る直前、酒田の実家から綺麗に見えた鳥海山の写真。

f:id:ayateck:20161120020703j:plain

今回は、僕も個人的に首都圏でのプロモーション活動の一端を担わせていただいた。その際に、ポスター掲示やフライヤー設置のご協力をお願いさせていただいた場所やお店を、ここで紹介したい。

・新宿「Nigorizake BAR 濁酒本舗 Tejimaul(てじまうる)
鶴岡出身の高橋しん子さんが店主の居酒屋。

三軒茶屋cafe&barオドモ
店主・高橋歩さんが鶴岡高専出身で、酒井健太さんの1個上の学年だったとのこと。

・神田の庄内料理屋「このじょ
店主・ともさんが鶴岡出身。首都圏在住の庄内・山形人のメッカのようなお店。

・田園調布「Suger Coffee (スジェールコーヒー)
店主の菅井さんが山形の内陸出身。

三軒茶屋月山
山形県西川町出身の斎藤太一さんが店主のお店。

三鷹おんがくのじかん
三鷹のライブスペースで、店主の菊池さんが山形の内陸出身。

・山形出身の学生寮やまがた育英会 駒込学生会館
僕が大学時代に住んでいた庄内出身の学生寮「荘内館」の跡地に建った寮。寮監の和田さんはスタジオジブリの生みの親でもある。

そのほか、首都圏の様々なライブハウスにもポスター掲示やフライヤー設置に多大なるご協力をいただきました。皆さま、本当にご協力ありがとうございました!

最後に、「DO IT」オフィシャルTシャツを着た筆者。会場で撮り忘れたので、三鷹の自宅にて。

f:id:ayateck:20161120024518j:plain

最高のフェスだった。そして、山形が生んだ「DO IT」の歴史は、酒田でまた動き出した。

【2017/02/25追記】

スペースシャワーTVで先日放送された「DO IT 2016」のライブ映像がYouTubeで公開。改めて、酒田という地であの日繰り広げられた、熱量と激烈さを伴う光景が蘇ってくる。ぜひ御覧ください。

▼全16曲の再生リストはこちらです。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLbQWTyaGOJlX8BytqEwa7uGgpP5nbiiXx

FRIDAYZ - DO IT NOW
ワッツーシゾンビ - DOしてる?
UHNELLYS - TOO MUCH HUMAN
the band apart - クレメンタイン
THE STARBEMS - Nonfiction
SOSITE - 9月 (bloodthirsty butchers cover)
SHIFT - i was robot
SEVENTEEN AGAiN - Nobody Knows My Song
音の旅crew - hope
NOT WONK - This Ordinary
MOROHA - 俺のがヤバイ
MASS OF THE FERMENTING DREGS - ベアーズ
マヒトゥ・ザ・ピーポー with NEVER END ROLLERS from GEZAN - み空
Have a Nice Day! - ロックンロールの恋人
DEEPSLAUTER - RIP OFF
akutagawa - 聞こえないフリ、をしてただけ

www.youtube.com