ayateck Local Stories

山形県酒田市の地域おこし協力隊・阿部彩人が、ローカルにある面白いものを、過去から現在そして未来へと続くストーリーを紐解きながらお届けするブログ。

ご飯が驚くほど進む、知られざる逸品「塩納豆」とは?

日本で生まれた人が、自らの人生で食べてきたご飯(米飯)の杯数は、どのくらいになるだろうか。僕を例にとってみると、1980年6月生まれで35歳。大人と同じご飯を食べられるようになるのが2歳ぐらいだとし、それから33年間、1日に2食ご飯を食べてきたとする。ちなみに僕はだいたい1食にご飯茶碗1杯食べる。

1年が365日なので、以下のような計算になる。

2 (杯) × 365 (日) × 33 (年) = 24,090 (杯)

ということで、実に、24,090杯ものご飯をこれまでの人生で食べてきたわけである。

あなたは、これまで食べてきたご飯の中で、感動するほど美味かったという記憶はあるだろうか。僕は、この24,090杯の中でも、特筆すべき感動を味わったご飯が2種類ある。それは、山形県村山地方の特産である「だし」をかけたご飯、そして、山形県酒田市の伝統食品「塩納豆」をかけたご飯である。今回は、この「塩納豆」についてご紹介したい。

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「塩納豆」とは?

塩納豆は、日本の西海岸、いわゆる日本海側に位置する山形県酒田市の特産品。納豆に、麹、昆布、塩などを混ぜて発酵させた食品である。これが、実は酒田の地元の人でも半数以上は知らないという、全国的に見たらとんでもなく知名度が低い逸品なのである。

この塩納豆の代表的メーカーであるのが、山形県酒田市十里塚の「加藤敬太郎商店」。こちらのページによると、江戸時代の天明年間である1788年創業とのことで、なんと220年以上も続く酒田の老舗納豆メーカーなのである。

「加藤敬太郎商店」の塩納豆は、通常版の「塩納豆」と、プレミアム版の「特選 塩納豆」がある。

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上が、通常版の「塩納豆」。

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そしてこちらが、三角テトラパックに入った、プレミアム版の「特選 塩納豆」である。プレミアム版は、山形県庄内地方で採れた純国産大豆100%の納豆「天明納豆」と、伊豆大島の塩「海の精」を使っているため、通常版よりも若干高い。

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今回は、このプレミアム版「特選 塩納豆」をかけたご飯を食べてみる。ひと口食べてみると、そこには麹の豊かな香りと、昆布の旨み、そして粒のしっかりした納豆の味わいが、ふわりと広がる。普通の納豆を芳醇にグレードアップさせたかのような、まろやかな深みのある味なのである。ちなみに、味付けはされているので、醤油などをかける必要はない。食欲をそそる塩味も相まって、ご飯が進む進む。初めて食べる方にとっては、何万杯も食べてきたご飯の中でも、それが特別な1杯になることは請け合いである。
ただし、塩味がきついと感じる人もいる可能性があるので、少しずつご飯にかけて楽しんでほしい。

「塩納豆」を購入できるところ

この日本において、塩納豆を手に入れることができる場所は、非常に限られている。前述の「加藤敬太郎商店」の塩納豆は、酒田であれば「ト一屋」さんなどのスーパーで購入できるであろう。都内では、2016年5月1日現在、以下の場所で購入できることを確認している。

・山形アンテナショップ おいしい山形プラザ(銀座)
※プレミアム版「特選 塩納豆」がありました。
東京都中央区銀座一丁目5-10 ギンザファーストファイブビル1F
http://oishii-yamagata.jp

・むらからまちから館(有楽町)
※通常の「塩納豆」がありました。
東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館1F
http://murakara.shokokai.or.jp

以下のページより、通販でも購入できる。まあまあな額の送料がかかってしまうが、お近くのお店で購入できない場合はどうぞ。

▼ト一屋

www.toichiya.net

楽天市場(木川屋)

item.rakuten.co.jp

 

「塩納豆」が登場する映像、新しい食べ方の提案

さて、この塩納豆が登場する映像も(手前味噌で恐縮であるが)紹介しておこう。塩納豆が生まれた地、山形県酒田市でのロケで撮影された、庄内弁ドラマ「んめちゃ!」である。上々颱風ヴォーカルで、現在は東北6県ろ~るショー!!というバンドでも活躍中の、酒田出身の歌姫・白崎映美さんが友情出演しているミニドラマ。YouTubeでは第2話まで合計で8万回近くの再生数となっている。

第1話では塩納豆をかけたご飯、第2話では「塩納豆サンド」という何ともインパクトのある珍グルメが登場する。


【庄内弁ドラマ】んめちゃ! 第1話「おら、庄内弁がわからねえ!」(ロケ地:山形県酒田市など)


【庄内弁ドラマ】んめちゃ! 第2話「おら、酒田でアクションすっぞ!」(ロケ地:山形県酒田市など)

この「塩納豆サンド」は、酒田出身のシェフ・タカハシダイスケ(田楽茶屋 多ぢり)が考案したレシピで作られている。実は私も第2話に出演しており、実際にこの「塩納豆サンド」を食べたのであるが、パンと野菜に塩納豆が合って意外と美味しい。レシピは以下のクックパッドでも紹介しているので、もしご興味があれば試してほしい。でも、塩納豆を初めて食べる方は、まずはシンプルにご飯に乗っけて食べてみてね。

▼塩納豆サンド - クックパッド

cookpad.com

さあ、「塩納豆」を食べてみよう

さて、ここまで紹介してきた「塩納豆」。こんなに美味いのに、全国的にも地元にもあまり知られていないのはもったいないと思い、この記事を書いてみた。この記事を読んで、少しでも塩納豆を食べてみたいと思ったら、ぜひ、前述のお店や通販などで購入してみてほしい。

さあ、塩納豆を食べよう。

それは間違いなく、あなたのこれからのご飯ライフをより豊かにする。